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火災保険を複数加入で保険料を安くする!元損保社員が徹底解説

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火災保険を二重や三重で加入する複数契約ということは、一般的に保険料の無駄、意味のない事と思われがちです。
確かにその通りで、闇雲に複数加入すると無意味な補償になってしまいます。

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火災保険は複数加入しても問題ないのか?

火災保険は複数加入しても問題はありません。

例えば、重複加入で損保ジャパンと東京海上日動に契約することもできますし、三重契約で契約することも可能です。

しかし、火災保険の複数加入はメリット面とデメリット面があります。
これを理解されず契約してしまうと、保険料を無駄にしてしまったり、必要のない補償まで契約してしまうことがあります。

また、他の火災保険契約については、告知義務の対象になっています。
もしも新たに火災保険に契約する場合は、他の保険会社と契約していることを契約する保険会社に知らせる必要があります。
保険会社に複数の火災保険に契約していることを伝えていないと告知義務違反として契約解除される場合もあるため、注意が必要です。

複数契約でも上手に契約すれば、メリットもその分大きくなるため、今回は上級者の複数加入火災保険方法もお伝えします。

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火災保険を複数加入し保険料は安くなる?

複数加入して保険料が安くなるなんてことがあるのかしら?

今は1社で契約している方でも複数契約し保険料を安くできる方法があります!それは火災保険の建物契約と家財契約の保険会社を分けるという方法です。

火災保険の建物契約と家財契約の保険会社を分ける

この方法は普通に火災保険の建物契約と家財契約の保険会社を分けるしても意味がありません。
あるやり方で火災保険全体の保険料を割安にすることができます。

この方法について詳しい話についてはこの後説明していきます!

火災保険に複数加入するデメリット!

火災保険を複数加入することはデメリットが大きいと言われています。
その理由としては大きく4つあります。

  1. 火災保険の保険金は損害額までしか支払われない!
  2. 保険料が無駄になっている場合がある!
  3. 書類も複数書く必要がある!
  4. 保険金の支払いが遅くなる!

火災保険の保険金は損害額までしか支払われない!

火災保険では保険会社から支払われる保険金は実際の損害額までと決められています。

そのため、2社と契約していても2倍の保険金がもらえるわけではありません。
例えば損害額が100万円だとした場合は、A社B社C社と複数契約しても、100万円が限度額となります。

損害保険は生命保険と違い、物の損失に対しての保険金になるため、焼け太りができないような仕組みなっているのです。
これは火災保険と火災共済で重複加入している場合も、同様に損害額を超える保険金・共済金は支払われません。

命の価値は決められていないから生命保険は問題ないけど、物の価値は決められているから物の価値が限度額になるんだね…

保険法という法律でも重複保険について決められているため、2倍、3倍支払うことができなくなっているよ!

保険法第20条(重複保険)

損害保険契約によりてん補すべき損害について他の損害保険契約がこれをてん補することとなっている場合においても、保険者は、てん補損害額の全額(前条に規定する場合にあっては、同条の規定により行うべき保険給付の額の全額)について、保険給付を行う義務を負う。【任意規定】

2 二以上の損害保険契約の各保険者が行うべき保険給付の額の合計額がてん補損害額(各損害保険契約に基づいて算定したてん補損害額が異なるときは、そのうち最も高い額。以下この項において同じ。)を超える場合において、保険者の一人が自己の負担部分(他の損害保険契約がないとする場合における各保険者が行うべき保険給付の額のその合計額に対する割合をてん補損害額に乗じて得た額をいう。以下この項において同じ。)を超えて保険給付を行い、これにより共同の免責を得たときは、当該保険者は、自己の負担部分を超える部分に限り、他の保険者に対し、各自の負担部分について求償権を有する。【任意規定】

https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=420AC0000000056

保険料が無駄になっている場合がある!

住宅に契約できる保険金額は建物の評価額が限度額と決められているため、それを超えた金額になった場合は、補償しすぎということになります。

つまり、建物の評価額が4,000万円だとしたらA社、B社合わせて4,000万円までしか補償ができません。
これがA社、B社合わせて5,000万円契約している場合は、1,000万円掛けすぎということになります。

もし、2社以上加入している場合は保険料が無駄になっていないかどうか、確認をしましょう。

それぞれの保険金額の合計額が建物の評価額とあっているかどうかがポイントになります。

書類も複数書く必要がある!

火災保険は複数契約している場合、複数の書類を書く必要があります。

当たり前の話ですが、変更手続きも複数になりますし、請求する場合の書類も複数になります。

保険金の支払いが遅くなる!

複数加入している場合は、保険会社の間で支払金額を決める相談がされます。

そのため、保険金の支払いは単独で火災保険に契約してるよりも遅くなってしまいます。

火災保険に複数加入するメリット!

火災保険を複数加入することはデメリットしかないと思われがちですが、実はメリットもあります。

補償内容の併用ができる!

複数加入している場合、火災保険の補償内容について併用することができます。

例えば、A社では補償対象となりますがB社では補償範囲外になる場合は、A社の制度を活用しA社のみに申請できます。
免責額や特約の併用もできるため、より火災保険について理解し契約されている方は大きなメリットとなります。

地震保険の複数加入は有効?

地震保険の保険金額は火災保険の保険金額の30%~50%の範囲まで契約でき、建物は5,000万円、家財は1,000万円を上限としています。
そのため、地震保険を重複して加入する方もいらっしゃいますが、実際は50%が限度額となっているため、重複して契約していても意味はありません。

地震保険をより手厚い補償にされたい方は「地震上乗せ特約」がおすすめです。
損保ジャパンや東京海上日動、ソニー損保にある特約で地震で全壊した場合100%まで補償できるようになります。
保険料は高くなってしまいますが、地震の補償が100%されるのは十分と言えます。

他にも、地震保険とは別の保険である「地震補償保険」に入ることを検討してもよいでしょう。
地震補償保険は地震保険とは別で火災保険にセットせず、単独で契約することができます。
また、地震保険と併用して加入することもできるので、地震保険の不足分の上乗せとして利用することができます。

複数の地震保険に加入するよりも、地震上乗せ特約・地震補償保険どちらでも補償は手厚くなるためおすすめです!

地震保険は必要!4つのワケとデメリットも覆す驚きの理由とは?【元損保社員】地震保険の必要性やメリット・デメリットについて元損保社員で火災保険専任担当がまとめています。地震保険は損害保険の中でも不要であると言われがちですが、決して不要な保険ではありません。この日本で地震保険に契約しないのはあまりに危険であると感じています。保険料が高額なことから避けられていますが、保険料を割安にする方法や税金控除など利用できるためおすすめです。...

火災保険を複数加入し、保険料を安くする方法を伝授!

では本題の火災保険を複数加入し、保険料を安くする方法をお伝えします。火災共済については私も不明な点が多々あったため、実際に共済にお伺いして勉強させていただきました。

建物契約を火災保険に家財契約を火災共済に変更する

この方法は家財契約のみを共済にすることでより保険料を抑える方法です。
火災保険は毎年保険料が値上がりをしていますが、実は火災共済は近年一度も掛金の値上げをしていません。
共済の中には掛金が制度開設以来、一度も値上げしていない共済もあるぐらいです。

共済とは組合員の協同救済という助け合いの保険で、JA共済やコープ共済、こくみん共済、都道府県民共済などがあります。
ただし、火災共済は補償が手薄になるというデメリットも抱えているため、建物契約は火災保険を採用しています。

この方法はいままでのデメリットも払拭できますよ!では、建物契約を火災保険、家財契約を火災共済にするメリットについて説明していきます!

保険料が無駄にならない!

建物契約と家財契約を全く別会社で契約するため、掛けすぎになったりすることが一切ありません。

書類は建物被害だけであれば、申請は一社だけ!

建物被害だけであれば、建物の契約をしている保険会社にのみ申請すればいいため、複数の書類を書く必要はありません。

保険金の支払いがスムーズ!

通常複数契約の場合、保険会社の間で支払金額を決める相談がされますが、建物契約と家財契約が別会社となっているため、基本的には保険金の支払いがスムーズにされます。

家財保険は利用率が低い

火災保険の中でも家財契約の利用率は建物契約と比較しても低く、建物契約と比べ共済でも十分な補償を受けることができます。

実は他にも大きなメリットがありますが、より詳しい話は有料noteでまとめているため、こちらではここまでとさせていただきます。

まとめ:火災保険で複数加入すること!

火災保険で複数加入することは全く無意味であるという話が通説となっていますが、上手な火災保険の複数加入で保険料を安くできることご理解いただけたと思います。

また共済によっては補償を手厚くする方法もあるため、そちらは有料noteでまとめさせていただきました。

私自身、現在の自宅では火災保険の建物契約と家財契約を分けて加入しています。

建物契約は火災保険の相談窓口や一括見積サイトでより安く、家財契約を共済で加入する複数契約することで、より火災保険をグレードアップさせてみてはいかがでしょうか?

今回の記事は少しでも皆さんの参考になればと思います!

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元損保社員のつぶやき編集部
【経歴】2012年に損害保険会社に中途入社⇨火災保険損害サービス課で8年間勤務⇨損害保険会社を退職後、実家を継ぐ【資格】ファイナンシャルプランナー2級/アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー(AFP)
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