これって補償される? PR

火災保険は賃貸退去時に使える?元損保社員が徹底解説!

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賃貸住宅での生活は快適で便利な一方で、退去時にはさまざまな手続きや負担が伴います。

火災保険は、万が一の火災や災害に備えるだけでなく、退去時にも活用できる重要な存在です。

補償範囲や条件、免責事項などを詳しく確認し、退去時に問題が生じた場合に備えて事前に必要な手続きを踏んでおくことが必要です。

火災保険の活用術をしっかりと把握し、適切な保険商品を選択しましょう。

本記事の内容
  • 賃貸の退去時に火災保険は使えるのか?
  • 賃貸で使える火災保険の補償内容について
  • 実際に使える火災保険の例

では早速「火災保険は賃貸退去時に使える?」問題に元損保社員が回答していきます。

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火災保険は退去時に使えるのか?

結論、賃貸退去時に火災保険は使える場合があります。

まずは大前提、賃貸の退去時に火災保険を使うのではなく、被害に遭った時にできるだけ早めに保険会社へ連絡をしていただく必要があります。

保険法では事故日から3年以内にという取り決めがありますが、保険会社が現地調査を行う場合もあるため、退去してしまうと被害が確認できない可能性があります。

この後、退去時に使えそうな火災保険を紹介していきます。

賃貸で使える火災保険の補償内容とは?

賃貸で使える火災保険の補償内容は大きく3つあります。

賃貸で使える借家人賠償・修理費用!

借家人賠償保険は、部屋の持ち主である大家さんに対して損害賠償責任が発生した場合に賠償する保険です。

借家人賠償で補償されるのは「火災、破裂・爆発、水ぬれ」などを起こしたときで、それ以外の場合や故意の事故などは補償されません。

また、借家人賠償保険に「破損・汚損等(不測かつ突発的な事故)」が付帯されている場合は子どもが壁に穴を開けてしまった場合などでも補償がされます。

対して、修理費用保険は大家さんに対しての損害賠償責任はないものの賃貸借契約に基づいて借主が修理費用を負担した場合、修理費用を補償します。

修理費用保険では「火災や落雷、爆発などのほか、風災、物体の落下・飛来、水濡れ、デモなどによる破壊行為」などが補償対象となります。

なかなか借家人賠償と修理費用の違いが判らないと思いますので、表でまとめてみました。

借家人賠償修理費用
損害賠償責任が生じる必要があり賃貸借契約で修理費用を負担する取り決め
・揚げ物をしていた際、出火し建物が焼損
・水漏れを発生させてしまった
・他人の車の飛び石で窓ガラスが割れた
・何者かが窃盗目的で玄関扉を壊した

賃貸で使える家財保険!

前述の借家人賠償や修理費用はマンションの持ち主である大家さんに対する補償ですが、家財保険は自分自身の家具や家電などに対する補償です。

家財保険は商品や種類で補償内容が変わりますが、基本補償は以下の通りです。

家財保険の基本補償内容を確認!

火災・破裂・爆発

家財が火事や破裂爆発などで燃える被害を指します。例えば、隣家からのもらい火で自宅の家財道具が一式焼失した場合、保険金が支払われます。

落雷

家財が落雷により損壊する被害を指します。例えば、近くの電柱に雷が落ちたことが原因でテレビや冷蔵庫が損壊した場合に保険金が支払われます。

水災

家財が大雨や洪水により浸水する被害を指します。例えば、近くの川が氾濫し、家財が浸水した場合に保険金が支払われます。

風災・雪災・雹災

台風や豪雪、雹(ひょう)などにより家財が損壊する被害を指します。例えば、台風による影響で瓦が飛び、雨漏りしたことが原因で家財が濡れた場合に保険金が支払われます。

落下・飛来・衝突・倒壊

建物の外部からの物体の落下または衝突などにより家財が損壊する被害を指します。例えば、車両の衝突で物件が倒壊し、中にあった家財が損害を受けた場合に保険金が支払われます。

水濡れ

給排水設備の事故などの漏水で家財が汚損する損害を指します。例えば、マンションの上階からの漏水で家財が冠水した場合に保険金が支払われます。

暴力行為・破壊行為

他者からの暴力行為や集団行動、労働争議に伴う破壊行為が原因で家財が損害を受けた場合に保険金が支払われます。

盗難

盗難被害で家財類が盗まれる被害を指します。例えば、自宅が留守中に何者かにより現金やその他家財類が盗まれた場合、保険金が支払われます。

持ち出し家財

住居から一時的に持ち出された家財が日本国内の他の建物内で火災・水濡れ・盗難などの被害に遭った場合に保険金が支払われます。

破損・汚損

自分自身や家族の不注意で家財を破損・汚損する被害を指します。例えば、子どもがボール遊びをしてたらテレビにぶつかり壊れた場合、保険金が支払われます。

実際の補償内容は一度保険会社や代理店に確認をしてみましょう!

賃貸で使える個人賠償責任保険!

個人賠償責任保険とは第三者に誤ってケガをさせてしまったり、他人のモノを壊してしまったりして、法律上の損害賠償責任を負った場合の損害を補償する保険です。

かなり活用できる保険でありますが、個人賠償責任保険は大家さん以外の第三者に対する補償であるため、賃貸物件を退去する際はあまり使うことはできません。

前述で説明した借家人賠償責任保険は大家さんに対する補償になるため、賃貸物件に対する補償は借家人賠償を利用しましょう。

ただし個人賠償責任保険でも、他人の居住する賃貸で他人の物を壊してしまった場合に補償対象となります。

個人賠償責任保険は火災保険以外にも生命保険や自動車保険に付帯している場合があります。

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実際に賃貸で退去時に使えそうな火災保険は?

実際に退去時に使える可能性がある火災保険は借家人賠償・修理費用または家財保険の「破損・汚損等(不測かつ突発的な事故)」です。

実際に使用できそうな例を紹介していきます。

借家人賠償・修理費用の場合

  • ダンベルを床に落とした際にフローリングが割れた
  • 化粧水のボトルを洗面台に落として破損させた

家財保険の場合

  • 子供が室内でボール遊びをしていたら、テレビにぶつかって壊れた
  • 皿を落としてしまい割れた

ただし、大前提退去時ではなく、早めに保険会社へ連絡をしましょう。

また、全ての保険会社が上記内容を対象とするわけではありません。

補償内容の中に「破損・汚損等(不測かつ突発的な事故)」が含まれていることが最低限必要となります。

その他にも免責額が設定されている場合もあるため、確認をしましょう。

免責額とは?
自己負担となる金額のことをいい、例えば免責額10万円の場合、10万円以下の被害額については保険金がおりません

注意点:「破損・汚損」の補償がない火災保険もある!

退去時に使える「破損・汚損等(不測かつ突発的な事故)」の補償ですが、そもそも破損・汚損の補償がない火災保険もあります。

火災保険って全部同じじゃないの!?

全ての火災保険が同じ補償内容ではありません。以下は破損・汚損の補償がない可能性のある火災保険です。

  1. 共済
    JA共済や都道府県民共済、こくみん共済といった非営利団体が運営する保険は破損・汚損の補償がない可能性が高いです。
  2. 少額短期保険
    破損・汚損の補償がある場合もありますが、破損・汚損の補償される箇所が限定的※などの可能性が高いです。
    ※(例)洗面台や扉のみ補償対象など

共済と少額短期保険は独自の制度内容を運用していることが多いため、そもそも破損・汚損の補償がない場合があります。

また、一般の火災保険でも破損・汚損の補償がない場合があるため、「退去時に使える火災保険」を求めているのであれば、破損・汚損の補償がされるか要チェックです。

さらにもう一つ重要な注意点!

さらにもう一つ重要な注意点は借家人賠償と家財補償の両方ともに「破損・汚損」の補償が付帯されているかという点です。

実はこの部分は見落としがちなので、是非確認してください!

例えば、家財補償には破損・汚損が付帯されているけれど、借家人賠償には破損・汚損の補償が付帯されていないという火災保険もあり、その逆も然りです。

補償タイプ家財補償
破損汚損なし
家財補償
破損汚損あり
借家人賠償
破損汚損なし
×
借家人賠償
破損汚損あり
◎(これがベスト!)

契約を確認するときは、家財補償の破損汚損が付帯されているのかをチェックしがちです。

しかし賃貸物件で重要なのは、借家人賠償に破損汚損が付帯されているのかという点であるため、是非借家人賠償の補償内容を確認してみてください。

家財保険の請求の流れ

❶ 家財保険の補償内容に該当する被害を受ける

❷ 保険会社へ被害の連絡

見積書を作成すると同時に、保険会社もしくは代理店へ被害を申告しましょう。
契約者氏名、保険証券番号、損害の内容、原因、見積書、写真の有無などを伝えることとなります。

❸ 保険会社から申請用紙が送られてくる

保険会社から申請書類が送られてきます。
簡易的な書類から間取図を書く書類まで保険会社によって申請書類は様々です。

❹ 見積書や修理不能証明書、写真を作成する

保険会社へ家財の被害額を申請するためにも、修理見積や修理不能証明書を求められる場合があります。
また、修理前の写真も必要になります。

❺ 保険会社へ申請用紙・見積書・修繕前写真を送る

申請書類を記入したら、見積書・写真と一緒に保険会社へ送りましょう。

❻保険会社から保険金が振り込まれる

保険会社が査定後、保険金が振り込まれます。
見積書が高額であったり不具合がある場合は、現地鑑定があります。
火災保険を申請する方法は別記事で詳しくまとめています!

火災保険の申請方法を元損保社員が教えます|おすすめ業者紹介火災保険の申請方法について元損保社員がどこよりもわかりやすく簡単に教えます。火災保険の申請方法だけでなく、保険会社の対応やオススメの業者、おすすめの申請方も情報盛り沢山です。対象になる被災も記載しています。...

賃貸の退去時に原状回復費用について

国土交通省が賃貸物件の退去時における原状回復をめぐるトラブルを未然に防ぐことを目的として「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を定めています。

しかし退去時に、ガイドラインには沿わない「経年劣化」と呼ばれる部分についても請求されてしまう場合があります。

経年劣化とは時間の経過とともに自然と劣化していく部分で、ガイドラインでは、経年劣化と通常損耗によって発生する修繕費用は、原則として大家さんが負担するものとしています。

もしも管理会社とトラブルになった場合はお住まいの自治体の消費生活センター等に相談しましょう!

まとめ:火災保険は賃貸の退去時に使えるのか?

結論

退去時に火災保険は使える可能性があるが条件や補償内容、免責事項を確認!

  • 退去時ではなくできるだけ早めに保険会社連絡する
  • 補償内容は「破損・汚損(不測かつ突発的な事故)」が付帯されているか確認

賃貸を退去される際は、もちろん火災保険も重要ですが、賃貸借契約の内容や管理会社との兼ね合いも大切です。

トラブルのない退去を心よりお祈り申し上げます!

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元損保社員のつぶやき編集部
【経歴】2012年に損害保険会社に中途入社⇨火災保険損害サービス課で8年間勤務⇨損害保険会社を退職後、実家を継ぐ【資格】ファイナンシャルプランナー2級/アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー(AFP)
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