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地震保険をやめた!理由や方法を元損保社員が徹底解説

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地震保険は2003年度以降、18年連続で契約が増加しており、2020年時点では火災保険契約者の68.3%が地震保険に契約しているといわれています。
そんな中で最近一部の人が地震保険をやめようと検討している、もしくはやめたという声を耳にします。
火災保険よりも少しネガティブに捉えられている地震保険、そのやめていく人たちの本音をピックアップし、やめ方や個人的意見も含め解説していきます。

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地震保険をやめた人の本音!

日本は地震大国とも言われている程、地震の被害に遭う可能性が高いと言われています。
国土技術研究センターのデータでも明らかで、全世界で起こったマグニチュード6以上の地震の20.5%が日本で起こり、全世界の災害で受けた被害金額の11.9%が日本の被害金額となっています。

このような地震大国であることは周知の事実ですが、地震保険をやめた、やめたいという人が私の周りでも増えてきています。
先日、地震保険をやめた人にお伺いしたところ、原因は3つあることがわかりました。

  1. 地震保険の必要性がわからないからやめた!
  2. 地震保険の保険料が高くてやめた!
  3. 地震保険の補償内容が悪くてやめた!

地震保険やめた理由(1):地震保険の必要性がわからないからやめた!

地震保険をやめた理由として挙げられる1つ目の理由は「地震保険の必要性が分からない」とやめてしまう方です。
特に大地震がまだ起きてない地域の方や、東日本大震災や大阪北部地震などを経験していない方が必要性を感じられなくなり、やめようと検討しているようです。

これは損害保険料率算出機構の「グラフで見る!地震保険統計速報」のデータから見ても分かりますが、2020年時点で東日本大震災を経験した福島県は火災保険契約件数のうち、地震付帯率87.5%となっているのに対して、地震被害が少ない沖縄県では58.4%となっています。
『沖縄は地震が少ない』『沖縄では大きな地震は起きない』という認識があるようで、毎年保険料を支払っているのに、被害がなければ必要と感じられないのは当たり前の感覚とも言えるでしょう。
その他にも神奈川県では63.1%、千葉県では63.9%と加入率が低い中、熊本地震があった熊本県では84.5%、隣の宮崎県では83.7%となっています。

なかなか地震が起こらない地域に住んでいると、「地震は起こらないから加入する必要はない」と考えて地震保険をやめた方は多いと思います。

地震保険の必要性については以下記事でもまとめています!

地震保険は必要!4つのワケとデメリットも覆す驚きの理由とは?【元損保社員】地震保険の必要性やメリット・デメリットについて元損保社員で火災保険専任担当がまとめています。地震保険は損害保険の中でも不要であると言われがちですが、決して不要な保険ではありません。この日本で地震保険に契約しないのはあまりに危険であると感じています。保険料が高額なことから避けられていますが、保険料を割安にする方法や税金控除など利用できるためおすすめです。...

地震保険やめた理由(2):地震保険の保険料が高くてやめた!

地震保険をやめた理由の2つ目として挙げられるのは「保険料が高くて、家計が負担になる」とやめてしまう方です。
確かに、地震保険を契約すると火災保険のみだけと比べると保険料は倍以上になるとも言われている程、金額が跳ね上がります。

以下はSBI損保の火災保険で見積もりを比較してみました。保険料は居住地や建物の構造、契約した年により変動があるため、実際に見積もりを作成することしてみてはいかがでしょうか。火災保険の見積の作成は保険スクエアbang!がおすすめです。

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<比較した条件>
居住地:東京都
構造:鉄骨造(T構造)
購入年度:2015年
建物:3,000万円(内地震保険50%)
家財:なし
自己負担額、特約、割引:なし
支払方法:5年長期一括払

地震保険ありの場合

5年一括払:298,370円

地震保険なしの場合

5年一括払:106,520円

SBI損保の場合は、地震保険の方が5年間で約20万円高く見積もりが作成されました。
この見積金額は割引制度を利用していないため、かなり高額になりましたが、地震保険はどこの保険会社も一律で保険料が決められているため、ほぼ近い額が出ると思われます。
ここまで地震保険の有り無しに保険料の差があると、保険料が高くてやめ!というのも正直納得してしまいます。

地震保険やめた理由(3):地震保険の補償内容が悪くてやめた!

地震保険をやめた理由の最後に挙げられるのは「補償される額が少なくて、契約している意味がない」とやめてしまう方です。
地震保険の補償内容は、火災保険とは違い補償できる額(保険金額)が以下の通り決められています。

火災保険金額の30%~50%の範囲内で地震保険の保険金額を決めることが可能です。
ただし建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度です。

つまり3,000万円の建物の場合は、1,500万円を限度とし地震保険を契約することができるため、全壊したとしても1,500万円までしか補償がされません。

また、もう一つのやめた理由として挙げられるデメリットは地震保険が時価額での補償になり、支払額も損壊に応じた一定額になる点です。
地震保険の支払い方法は以下の通り決められています。

全損:保険金額の100%(ただし、時価を限度とします。)
大半損:保険金額の60%(ただし、時価の60%に相当する額を限度とします。)
小半損:保険金額の30%(ただし、時価の30%に相当する額を限度とします。)
一部損:保険金額の5%(ただし、時価の5%に相当する額を限度とします。)


時価額とは、建物の再調達価額(購入額)から使用や経過年数等に応じた消耗分(減価額)を差し引いた額としています。
つまり建物を購入した時に3,000万円だったとしても、実際劣化部分や消耗部分を差し引くともっと補償できる額は低くなってしまいます。
また、支払額は全損、大半損、小半損、一部損の4段階で決められており、実損での支払いがされないのも大きなデメリットです。

保険料は高いのに補償できる額が少ないのはかなり痛手だね…

補償を手厚くする地震上乗せ特約とは?

地震保険は満額保障することができないことはやめた理由③からもご理解いただけたと思います。
しかし、ソニー損保や損保ジャパン、東京海上日動といった一部の損害保険会社は「地震上乗せ特約」という地震補償が100%補償できる特約を提供しています。

以下はソニー損保の地震上乗せ特約の補償内容です。

全半損時に地震保険の保険金と同額を上乗せでお支払いします。

地震保険の保険金額を火災保険金額の50%に設定した場合のみつけられます。

火災保険と同様、全損時には最大で同様の家を新築できる額を補償できます。

ソニー損保の地震上乗せ特約の場合は、上記の通り地震補償を100%セットできますが

  • 上乗せされるのは全半壊時のみで地震保険の「一部損」の場合は、この特約では補償されない。
  • 地震保険の保険金額を50%に設定しなければならない。

この2点に注意して加入しなければなりません。
また、デメリットの一つとして地震上乗せ特約は保険料が高めに設定されています。
もし地震上乗せ特約の検討を考えられている方は、見積サイトで火災保険見積もりを作成されることをおすすめします。

火災保険一括見積もりサイトのデメリットは?使ってみてわかったおすすめ3社!火災保険一括見積もりのデメリット・メリットやおすすめの入力方法、見積もりを依頼する手順など、ここでしかない情報を元損保社員が徹底解説します。...

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地震保険をやめた場合のメリット・デメリットは?

やめたメリット:保険料を払わなくていい!

地震保険をやめる唯一のメリットは「地震保険料を払わなくていい」という点です。

地震保険はやめた理由②でもお伝えした通り、保険料がかなり高額になります。
場合によっては年間の保険料が倍近くまで上がるため、地震保険を掛けないことは大きなメリットとなります。

ただし、地震保険には地震保険料控除制度という地震保険として支払った一定の額から課税所得金額分から控除される制度や、地震保険の割引制度などが充実しているため、保険料を安くしたり控除したりすることができるため、利用価値はあります。

地震保険のやめ方と地震保険料控除制度についてはこの後説明します!

やめたデメリット(1):地震がもし起きたら一切保険会社から保険金が支払われない!

地震保険をやめた場合のデメリットはもちろん「地震保険金」は保険会社から一切支払われません。
大地震が起きた場合、国の公的支援のみでは乏しく、公的支援のみでは再建は不可能です。

実際に東日本大震災が起きたとき、公的支援として受給できた金額は、善意による義援金を合わせてどんなに大きな被害でも最大400万円ほどでした。

もしやめてしまうと公的支援だけでは足りず、困ってしまう可能性があります。

やめたデメリット(2):地震保険は公共の保険なのに掛けないのはもったいない!

地震保険は実は国と保険会社が共同で運営する公共保険です。
地震保険は該当の地域全体で被害が起きるため、民間の保険会社で賄うことは不可能です。

そのため、民間の保険会社が提供された地震保険を政府が再保険し、最終的には政府と民間の損害保険会社が共同で補償する形になっています。
やめた場合、国も関与している公共の支援を受ける権利がなくなる点は大きなデメリットといえます。

地震保険をやめたい場合はどうする?

地震保険は最長5年までの契約を結ぶことができ、地震保険をやめたい場合は契約期間中にも解約することは可能です。
まずは保険会社もしくは保険代理店へ連絡し、地震保険の解約をしたい旨を伝えましょう。
電話やホームページなどから解約手続きを申し込み、郵送で手続きを完了できる保険会社もあります。
手続きとしては必要事項を記入し、署名押印して返送するだけで手続きに伴う手数料などもかかりません・

注意点としては、地震保険だけの中途解約はできますが、火災保険はやめて地震保険だけにすることはできません。なぜなら地震保険は火災保険とセットで契約しなければいけないからです。

地震保険をやめたら解約返戻金が受け取れる!

地震保険だけではなく、火災保険をやめた場合も中途解約したら、解約返戻金を保険会社からもらうことができます。
ただし火災保険との大きな違いは、地震保険は法律に基づく官民一体の保険制度のため、未経過料率はどの保険会社でも同一となります。※

地震保険も火災保険も掛け捨てのイメージをお持ちの方が多く、途中でやめたいと思っても継続される方が多いようです。
途中で解約することはできるため、もし地震保険をやめたいと思っているのであれば、検討してみてはいかがでしょうか。
※地震保険の契約始期によって料率は異なります。

地震保険を取り扱っている商品のランキング形式で紹介できない理由は以下記事でまとめています。

地震保険のランキングはできない?おすすめの比較方法は?元損保社員が徹底解説元損保社員が地震保険ランキングについてまとめました。地震保険ランキングは作成することができませんが、火災保険を比較することで付帯する地震保険も選択できるものです。地震保険を作成できない理由はどこも一律で同様の補償内容だからです。...

【私の考え】地震保険をやめたい人へ

「保険料が高い」という理由で地震保険をやめたい、やめようと考えられている方が非常に多いと思います。
確かに地震保険は保険料が高く、補償も半額までと消費者としてはかなり不利に感じる補償内容です。
ただ、東日本大震災や熊本地震、大阪北部地震の現地調査した身からすると「地震保険は付帯した方がいい」と思います。

地震の被害を甘く見てはいけない

大きな地震の揺れを経験したことがない方は「地震はただ揺れるだけのもの」という考えで、それ以外は被害を思いつかない人もいらっしゃると思います。
実際に現地をお伺いすると地震より家にヒビが入るだけではなく、家が傾いてしまったり、建物が倒壊してしまうというケースもあります。
また、沿岸部に住んでいる方は津波をはじめとした水害や、隣家から火災の発生し自宅が消失する被害、土砂崩れで自宅が埋まってしまう、液状化現象などがあります。
そのため一言で「地震」といっても様々な地震被害があるため、一概に揺れたことが原因の被害だけでありません。

地震はかなりの高確率で起こる

政府の地震調査研究推進本部によると、関東地方で30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率は太平洋側の大部分が26%以上、東京都で47%神戸市で46%名古屋市で46%、最大で水戸市で81%というデータもあるほど、地震は今後確実に起こり得るものです。

あまり例えるのはよくないけど、東京に住んでいるのならじゃんけんに負ける確率(50%)と同じです。かなりの高確率で地震は起こるんだね!

保険料は高いけど控除対象となる

地震保険をやめた人ややめたい人は保険料が高く、家計に負担を感じる人が多くいらっしゃいます。
そこで政府が考えてたのは「地震保険料控除制度」です。
地震保険では確定申告で住民税及び所得税が控除され、非常に大きなメリットとなります。

所得税の控除額

1年間の地震保険料の額が50,000円以下であれば、支払った保険料の全額が控除されます。50,000円を超えた場合には、控除限度額である50,000円が地震保険料控除額となります。

住民税の控除額

1年間の地震保険料の額が50,000円以下であれば、支払った保険料を2分の1した額が控除されます。50,000円を超えた場合には、控除限度額である25,000円が地震保険料控除額となります。

地震の割引制度を利用し、保険料を少しでも安くする!

地震保険は保険料が高くなかなか手を出しづらい部分がありますが、地震保険は割引制度が充実しています。
以下割引制度を利用すれば最大で50%割引されるため、もし該当しているのであれば、地震保険が通常より割安となります。

建築年割引:10%
耐震等級割引:最大50%
免震建築物割引:最大50%
耐震診断割引:10%

最近建てた自宅である場合は、適用できる可能性が十分高く、割引制度が利用できるのであれば活用は必須です。

まとめ:地震保険をやめたっていい!

今回の記事では以下の内容について説明しました。

  • 地震保険をやめた人達の本音
  • 地震保険をやめたメリット・デメリット
  • 地震保険をやめ方
  • 個人的な地震保険の考え

地震保険をやめたいと思っている方、先ほど私の考えでは「地震保険は入った方がいい」とお伝えしましたが、これは私の一個人の意見です。
地震保険をやめるのは個人の自由ですし、「地震保険に入れと言われて入ってたのに死ぬまで地震が起こらなかった!損だ!お金返せ!」といわれれば、最終的にはあなたが決めてくださいとしか言いようがなくなります。

ただ、地震保険を契約したいことで生活に不具合が出るのであれば、それは本末転倒です。生活を再建するための地震保険ですから、生活を壊滅させてしまっては意味がありません。
是非納得がいく火災保険・地震保険を選び、今後起こり得る大災害の事前準備をしましょう。

そのために、再度ご自身の火災保険などを見直し、火災保険・地震保険の一括見積で適正な補償内容、保険料を確認するのがおすすめです。

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過去にも保険料の目安となる「参考純率」が2018年に5.5%2019年に4.9%2022年には10.9%2024年に13.0% 全国平均で値上がりしています。
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元損保社員のつぶやき編集部
【経歴】2012年に損害保険会社に中途入社⇨火災保険損害サービス課で8年間勤務⇨損害保険会社を退職後、実家を継ぐ【資格】ファイナンシャルプランナー2級/アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー(AFP)
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