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【火災保険と比較】火災共済のメリットデメリットは?元損保社員が徹底比較

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東京海上日動や損保ジャパンなどの民間の保険会社が運営する火災保険を選ぶ方が多い中、都道府県民共済やこくみん共済、コープ共済、JA共済などの火災共済と言われる保険があるのをご存知でしょうか?
今回は火災共済火災保険の違いから、メリットデメリット人気ランキングまでを元損保社員が徹底解説していきます。

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火災保険と火災共済の違いは?

  • 運営母体が違う!
  • 営利か非営利の違い!
  • 加入の条件が違う!
  • 使われている用語の違い!
  • 地震保険の運営方法が違う!
  • 共済は生保と損保の二刀流!

運営母体が違う!

火災保険と火災共済の大きな違いが運営母体の違いです。
火災保険は民間の保険会社が運営しており、監督庁は金融庁になります。

一方、火災共済はJA共済やこくみん共済といった生活協同組合が運営しており、監督庁はJA共済であれば農林水産省、都道府県民共済やこくみん共済は厚生労働省になります。
また、根拠法令も民間の保険会社は保険業法ですが、火災共済を運営する生活協同組合は農業協同組合法消費生活協同組合法といった法令です。

営利か非営利の違い!

火災保険と火災共済は事業形態が違います。
火災保険は民間の保険会社が運営していることもあり、利益を追求する営利団体となりますが、火災共済は生活協同組合が運営しているため、利益を追求しない非営利団体となります。
共済は利益を出しすぎてはいけないため、割戻金という形で利益が出た分を契約者へ還元しています。

加入の条件が違う!

火災保険は多くの場合、保険料を支払えば火災保険に契約することができます。
しかし、火災共済は組合員となり出資金1000円程度支払わないと契約ができません。
組合員は契約者ですが、保険会社でいう株主ともなるため、配当金と同様に割戻金というお金が戻ってくる仕組みとなっています。

使われている用語の違い!

火災保険と火災共済では使われる専門用語も違います。

火災共済火災保険
保障補償
共済金保険金
掛金保険料
風害・水害風災・水災

地震保険の運営方法が違う!

地震保険は国と民間の保険会社との共同運営のため、どの保険会社で契約しても、保険料と補償内容は同一となります。
しかし、共済はそれぞれの団体で運営しているため、補償内容や保険料は一律ではありません

共済は生保と損保の二刀流!

通常、民間の保険会社は生命保険会社と損害保険会社に分けられており、扱える保険内容が決められています。
生命保険会社の場合は第一分野(終身保険・定額保険・養老保険など)と第三分野(医療保険・がん保険・介護保険など)損害保険会社は第二分野(自動車保険・火災保険・地震保険など)と第三分野と決められた範囲でしか取り扱いができません。

しかし、共済は第一分野第二分野第三分野のすべてを取り扱うことができます。

火災共済のメリット!

  1. 保険料が安く、保険料が上がらない!
  2. 割戻金がある!
  3. プランが少なく選びやすい!

メリット①:保険料が安く、保険料が上がらない!

火災共済の最大のメリットは何と言っても「保険料(掛金)の安さ」です。
この後でも民間の保険会社と共済の保険料を比較していますが、火災共済は保険料がかなり安く設定されています。

また、近年火災保険は保険料が毎年上がっていることがニュースになっていますが、火災共済の保険料は上がることはほぼなく、ここ数年の大災害にもしっかりと耐えています。

一般の火災保険料が上がる原因といわれているのは、火災保険申請代行サービスの増加です。みなさん気を付けてください。

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メリット②:割戻金がある!

つづいて火災共済のメリットとしてあげられるのは「割戻金あること」です。
割戻金は火災共済の利益が出過ぎてしまった場合に発生するお金で、契約している方全員に戻ってきます。

都道府県民共済の2020年度割戻金が20%程あったため、保険料を払いすぎることもなく戻ってくることはとてもお得感があります。

メリット③:プランが少なく選びやすい!

補償のカスタマイズができないことがデメリットですが、その分プランの選択肢が少ないため、選ぶのは面倒な人はメリットと言えます。
また、補償の枠組みも大きく「火災等」「風水害等」と決められており、全般的な補償は望めます。

いちいち補償内容を選びたくない方はいいかもしれないですね。

火災共済のデメリット!

  1. 台風や雪災の補償内容が手薄の場合がある!
  2. 地震補償も手薄の場合がある!
  3. 補償内容のカスタマイズができない!

デメリット①:台風や雪災の補償内容が手薄の場合がある!

都道府県民共済の新型火災共済は台風などの風災や雪災の場合の支払額が少額の見舞金となっています。
同じく、コープ共済やこくみん共済coopは火災共済のみの場合、支払額が少額の見舞金となり、自然災害共済に契約しなければある程度の共済金を受けることができません。

また、補償できる上限も決められている場合があり、都道府県民共済は600万円までとなっています。

あまりにも補償される金額が少ない場合は、建物の再建が不可能となってしまうため、今後も長く住み続ける予定のあるご自宅である場合は、より手厚い補償を探したほうが良いです。

デメリット②:地震補償も手薄の場合がある!

つづいてのデメリットは火災保険に比べ、火災共済は地震保険についても手薄になる場合があります。
通常の地震保険は補償内容保険料一律となり、火災保険補償額の50%を限度と決められています。

一方、都道府県民共済は地震特約をセットした場合、火災保険補償額20%の補償が限度額となり、地震特約をセットしない場合については半壊・半焼以上の損害にご加入額の5%の範囲内と少額の補償内容となります。(最高300万円まで)

また、コープ共済やこくみん共済coopは自然災害共済の大型タイプを契約した場合、火災保険補償額30%が限度額となり、標準タイプの場合は20%が限度額となります。

共済の地震保険はそれぞれの共済団体で運営をしているため、補償内容は一律になっていないのです!

デメリット③:補償内容のカスタマイズができない!

火災共済の補償内容は一律で決められており、補償内容を選択することができない部分もデメリットでしょう。
火災保険の場合は、損保ジャパンや東京海上日動といった代理店損保とソニー損保やSOMPOダイレクトのネット契約できるダイレクト損保2種類があります。

代理店損保の場合は、プランタイプとなっており、何種類かのプランから火災保険が選択できるようになっています。
また、ダイレクト損保の場合は組み立てタイプとなり、補償を1から設計していく方式を取っています。

一方で火災共済はプランタイプとなっていますが、選択できるのは1~3タイプ程度と少なく、選択できる余地がなくなります。

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火災保険と火災共済の保険料を比較!

今回は都民共済の新型火災共済と損保ジャパンのTHEすまいの保険で比較しました!

都民共済:新型火災共済
損保ジャパン:THEすまいの保険
  • 建物補償額:2,000万円
  • 家財補償額:1,000万円
  • 建物構造:木造
  • 特約:なし
  • 基本補償:火災、消防破壊・消防冠水、破裂・爆発、車両の衝突、落雷、他人の住居からの水もれ、突発的な第三者の直接加害行為(損害額が5万円未満のものを除く)、建物外部からの物体の落下・飛来
  • 損害額10万円を超える場合見舞金:暴風雨、旋風・突風、台風、高潮・高波、洪水、なが雨・豪雨、雪崩、降雪、降ひょう
  • 損害額20万円を超える場合見舞金:地震、津波、噴火
  • 臨時費用共済金:支払割合20%
  • 建物補償額:2,000万円
  • 家財補償額:1,000万円
  • 建物構造:木造
  • 特約:なし
  • 基本補償:火災、落雷、破裂・爆発、風災、ひょう災、雪災、水濡れ、盗難、水災、破損・汚損等
  • 臨時費用保険金:支払割合10%

都民共済/基本保障コース

24,000円/年払

都民共済/地震特約コースセット

45,600円/年払

損保ジャパン/地震補償なし

43,210円/年払

損保ジャパン/地震補償あり

106,510円/年払

保険料だけを見ると都民共済の方が圧倒的に安くなります。

ただし、都民共済の地震特約コースと損保ジャパンの地震補償なしであれば損保ジャパンの地震補償なしの場合の方が安くなるため、検討する余地がありそうです。

しかし、前述でもお話ししている通り、補償内容については損保ジャパンの方が手厚くなっているため、補償内容が同一になっていない点には注意が必要です。

地震補償をセットするだけでかなり高くなるね…

元損保社員が火災共済のおすすめする人は?

個人的に火災共済が合うと思う方は2種類の方がいらっしゃいます!

  1. 鉄骨マンションに住んでいる人!
  2. 賃貸住宅に借りて住んでいる人!

鉄骨マンションに住んでいる人

マンションは風災雪災・水災といった被害に遭う可能性は極めて低く、もし被害に遭ったとしても若干の見舞金がほしい方におすすめです。
特にマンションの上層部に住んでいる方は外部の被害は窓ガラスや室外機程度で、戸建て持ち家程の風災や水災の補償が必要ありません。

ただし、マンション火災の場合、火は上階へと上がっていき、消防放水は階下へ下がっていく大きな被害になる可能性は高いため、十分な補償を準備したほうが良いでしょう。

賃貸住宅に住んでいる人

賃貸マンションや賃貸アパートなどの賃貸住宅に住んでいる方も共済はおすすめです。
賃貸住宅に住んでいる場合、建物契約は必要なく、家財契約借家人賠償特約が必要となります。

持ち家マンションに住んでいる方と同様に、風災や水災などの補償を充実させる必要はさほどありません。
また、賃貸に契約している方でお守り程度に補償を検討している方は火災共済もありではないでしょうか?

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火災共済の家財補償は子供がテレビを壊したなどの「破損・汚損」は補償内容に含まれていない場合があります。小さなお子様がいる家庭は必須項目になるため、補償できるのか確認をして契約しましょう!

火災共済の人気ランキング!

過去に火災保険人気ランキングで300人からアンケートを実施しました。人気ランキングの項目の中に共済も含めていたため、それを利用し人気ランキングを発表します。

火災保険の人気ランキング|300人にアンケート!元損保社員が徹底解説 火災保険でお悩みのみなさま、火災保険の選び方どうされていますか?口コミや人気度から火災保険を選んでいる方が多いのではないでしょうか。 ...

アンケート内容

以下契約している火災共済を選択してもらいました。
JA共済、こくみん共済coop(全労済)、都道府県民共済、コープ共済

他にも教職員共済など共済にも種類がありますが、メジャーな共済のみ選出させていただきました。

第1位:都道府県民共済

都道府県民共済は都民共済、道民共済、府民共済、県民共済、全国共済から成り立っている地域共済です。該当の県内にお住まいか、または勤務地のある方しか契約ができません。
しかし、掛金を保険会社と比較してもかなり安めに設定されている点や割戻金もあり、人気は共済の中でもトップクラスです。

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第2位:コープ共済・こくみん共済coop(全労済)

コープ共済とこくみん共済coopは制度上同様の補償内容になっているため、今回は同一順位にさせていただきました。
コープ共済は地域生協、こくみん共済coopは労働組合を中心に幅広く活動していますが、基本的には日本国内に住んでいる誰でも契約することができます。

補償内容は都道府県民共済よりも風災や水災、地震補償を手厚くすることができるのが魅力です。
ただし、他の共済よりもかなり風災や水災の補償が複雑になっているのがデメリットとなります。

コープ共済の火災保険の評判は?デメリットも元損保社員が全て徹底解説コープ共済の火災保険について基本的補償からメリット・デメリットまでを元損保社員が徹底解説しています。コープ共済は民間の保険会社(損保ジャパンや東京海上日動)といった保険会社にはない魅力がつまっているため、非常におすすめです。デメリット部分も理解した上で契約することをおすすめします。...

第3位:JA共済

JA共済は農協を中心として契約数を増やしている共済で、こちらも基本的には日本国内の方が誰でも契約ができます。
JA共済には通常の火災共済以外にも「建物更生共済」という満期金付きの長期契約可能の共済があります。(基本的に通常の火災共済は掛け捨てになります)

満期金付きになるため、通常の火災共済や火災保険より掛金が高い部分が欠点になります。

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火災保険と火災共済の重複加入はできるのか?

火災保険と火災共済の重複加入は可能です。
複数の火災保険に契約することはデメリットが多いとも言われていますが、火災保険と火災共済を重複加入することのメリットもあることをご存知でしょうか。

別記事やnoteでも詳しくまとめていますが、建物契約を火災保険、家財契約を火災共済にすることで保険料を抑えることもできます。
この方法はデメリットとも言われている「保険料」「補償」「支払いのスピード」すべてを改善することができるため、おすすめですよ!

詳しくは別記事をご覧ください!また、どこの共済にすればよいか迷っている方はnoteでまとめています。

火災保険を複数加入で保険料を安くする!元損保社員が徹底解説火災保険に複数加入できることをご存知でしょうか?実は複数加入はメリットやデメリットがあり、複数加入で火災保険の保険料をより安く抑える方法もあります。元損保社員が実際に店舗まで行き確認したこともあるため、非常に確実で有効な複数加入の方法です。...

まとめ:火災共済は火災保険ではない!

火災保険と共済は似て非なるものです。

多くの火災保険は補償内容や保険料は統一されてきており、大きな差がなくなりつつありますが、火災共済は独自に発展し、それぞれ特色のある保険になっています。

実際に被害を被ったときに「こんなはずではなかった」と後悔されないように、この特色を理解した上で火災共済には契約するべきでしょう。

補償内容」は火災保険>火災共済、「保険料」は火災保険<火災共済、と思っている方も多いと思いますが、見積もりをしてみると反対の場合もあります。

まずは火災保険の一括見積もりサイトで火災保険を比較することをおすすめします。

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火災保険ってよくわからないし、今のままでいいかな~!

ちょっと待った!!
実はここ5,6年で火災保険料は1.5倍〜2倍以上に値上がっているのをご存知ですか?

過去にも保険料の目安となる「参考純率」が2018年に5.5%2019年に4.9%2022年には10.9%2024年に13.0% 全国平均で値上がりしています。
保険会社は火災保険分野が13年連続赤字で、今後も災害の増加や住宅部材の値上げ、円安の影響で保険料は値上がりするという可能性が高く、家計の節約には火災保険は見直しが必須です。

保険料ってそんなに上がっているんだ!
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元損保社員のつぶやき編集部
【経歴】2012年に損害保険会社に中途入社⇨火災保険損害サービス課で8年間勤務⇨損害保険会社を退職後、実家を継ぐ【資格】ファイナンシャルプランナー2級/アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー(AFP)
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