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火災保険で儲ける?元損保社員が本当に可能であるか徹底解説

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巷では「火災保険で儲けることができる」と様々な話が交差していますが、実際に火災保険で儲けることはできるのでしょうか。
「火災保険が儲けれる」という話の疑惑について、裏事情を含めて紹介していきます。

今回は火災保険専任担当の元損保社員でファイナンシャルプランナーの筆者が「火災保険で儲ける」ことについて徹底解説していきます。

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火災保険で儲けることはできる?

結局のところ、火災保険って儲けることができるの?

儲ける」ということがどんな内容かによりますが、余計に保険金を受け取るということはできません。保険による不当利得、いわゆる「焼け太り」は認められないため、儲けるということはできない仕組みになっています。

火災保険は損害保険であるため、「実損払い」となります。
損害額に応じて保険金を支払う「実損払い」は、実際に被った損害額が保険金として支払われます
損害保険は、損害により不当な利益を得ること(いわゆる焼け太り)を防ぐという考え方があり、こうした実損払いが基本となっています。

そのため、火災保険で儲けるということは法律上できないこととなっています。よって保険金が余分でもらえるということはありません

複数の火災保険を契約していれば儲けることはできる?

じゃあ火災保険を重複契約していれば儲けることができるの?

重複で契約することは可能ですが、儲けることははできません!

重複して火災保険を契約していれば、火災保険が2倍出てくるかと言えばそんなわけはありません。
実損払い」が基本となっているため、複数の火災保険に契約している場合は、損害保険会社が話し合い支払う金額を決め、損害の金額内に収まるよう取り決められています。

また、火災保険において、他の損害保険会社で火災保険に契約しているか否かは告知事項となっています。
損害保険会社に複数の火災保険に入っていることを伝えていないと告知義務違反として契約解除される場合もあるため、注意が必要です。

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火災保険が、よりお金がもらえる方法はある!

火災保険で、「実損払い」以外にお金がもらえる方法はあるの?

実はそれはあるんです!それが臨時費用保険金です。

火災保険で儲けることは法律上できませんが、実損よりお金が出る補償があります。それが臨時費用保険金です。臨時費用保険金は実際に被害に遭った金額の、10%~30%の費用が割増しで出てきます。

臨時費用保険金は大体どこの保険会社でもありますが、名目はその名の通り「臨時にかかった費用を賄うお金」として支払われるものです。

WHAT’S 臨時費用保険金?

⽕災保険の損害保険⾦が⽀払われる場合に損害保険⾦にプラスしてお⽀払いします。臨時費⽤保険⾦は、損害保険⾦との合計額が保険⾦額を超過する場合でもお⽀払いします。

臨時費用保険金の注意点
臨時費用保険金は保険会社によっては自動セットされていない保険会社もあります。臨時費用保険金が自動セットされていない場合は付帯しないと補償対象にならないため、注意が必要です。

火災保険の裏技!修理をしない方法とは?

火災保険の裏事情で、火災保険が支払われた後の修理は加入者の判断となります。
そのため、取壊し予定の自宅や修理を自分する予定の方は修理をしないという選択肢を選ぶことも可能です。
支払われた保険金はこちらでどうするか判断をすればよいため、火災保険で儲ける(余分にお金をもらう)ということが可能です。

しかし、先ほども述べた通り、火災保険は損害を補償するためのお金であるため、再度保険金をもらうためには修理をしなければ、保険金が支払われることはありません。

つまり今後修理をしなければもらった保険金は自由に使ってもいいってこと?

問題ありません。保険金の使用用途はお任せになっていますが、次回その箇所を修理をしていなければ保険金が支払われません

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火災保険で故意的に儲けることはできる?

火災保険で故意的に被害を作り出し、保険金を受け取ることはできません。絶対にやめてください。

わざと火災保険を受け取るために、火をつけ家を燃やした!

自分で自分の家に火をつけて、火災保険を受け取ることはできません。

建物や家に火をつけると放火罪にあたり、保険金を申請することで保険金詐欺に該当します。
故意に火をつけることは絶対にやめましょう。

わざと火災保険を受け取るために、屋根を壊した!

わざと自分の家を壊して、火災保険を受け取ることができません。

屋根を故意に壊し、台風や突風で申請すると保険金詐欺に該当します。

中には意図せず修理業者が「屋根が壊れていますよ?」と不安をあおり、屋根に登り壊してしまうケースもあります。
このように修理業者が屋根を壊すケースを「壊し屋」といい、見つかると業務停止命令が出たりと大きな問題に発展します。

火災保険申請業者の言われた通り、火災保険を申請する!

経年劣化の損傷であると知りながら、火災保険申請業者の口車に乗り自然災害などの事故による損傷と申請するなど、うその理由で保険金を請求すると、刑事罰(詐欺罪)に問われる可能性もあります。

また火災保険申請業者が虚偽の被災日を契約者に言わせることも同様です。
火災保険を申請する場合は、必ず自己申告で被災日や状況を伝えるようにしましょう。

詳しい話はこの後に載せています!

故意的に儲けてしまったらどうなる?

上記の通り、悪質に火災保険で儲けるため、保険を請求し保険金を受け取った場合、大きなペナルティもしくは保険会社から以下の対応が取られる場合があります。

  • 保険会社でブラックリスト入りする!
  • 保険金の返還請求がされるかも!
  • 火災保険を強制解約させられる!
  • 保険金詐欺に該当し、保険会社から訴えられる可能性も!

保険会社でブラックリスト入りする!

悪質な火災保険請求で儲ける行為をした方のほぼ9割は、ここに該当していきます。
保険会社も要注意人物として、今後マークしていく必要があります。
そのため、今後正式な保険申請をしても、悪質な火災保険請求と疑われ支払いが困難になる場合があります。

保険金の返還請求がされるかも!

悪質な火災保険請求と判明した場合は、保険会社から保険金を返してもらうように通告がある場合もあります。

火災保険を強制解約させられる!

悪質な火災保険で儲ける行為を繰り返して行った方の中には保険会社から解約の申し出がある場合もあります。
契約者だけでなく保険会社にも契約者との保険を解約する権利があるため、著しく保険会社との信頼を損ねた(詐欺や通知義務違反等)ということで強制解約することができます。

保険金詐欺に該当し、保険会社から訴えられる可能性も!

悪徳業者と共謀して保険会社に虚偽請求や理不尽な要求を繰り返し行ったり、わざと火をつけ保険金を儲けようとする放火行為は保険金詐欺に該当するおそれがあり、刑事罰(詐欺罪)になる可能性があります。

以下は国民生活センターが出している注意喚起文の内容です。

(3)保険会社をだますような手口の保険金請求が行われている

火災保険は損害保険の一種で、火災による損害を補償する基本タイプに留まらず、風水災などの自然災害や盗難などの事故(以下「自然災害などの事故」)によって「建物」や「家財」に生じた損害も補償する総合補償型の保険が一般的です。経年劣化による住宅の損傷は、自然災害などの事故による損害ではないので、保険金支払いの対象とはなりません。しかし、「自然災害で壊れたことにすればいい」とうその理由で請求をさせたり、事業者が「自分たちの存在は保険会社に伝えないでほしい」と言うケース【事例1】、事業者が壊れていない瓦を外すなどの細工をし「黙っているように」と指示するケース【事例2】がみられます。

うその理由による保険金請求は保険金詐欺に該当するおそれがあり、消費者は保険会社から保険金の返還請求や保険契約の解除をされる可能性があるほか、刑事罰(詐欺罪)に問われる可能性もあります。

http://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20201001_1.pdf

保険金詐欺目的での放火は詐欺罪だけでなく、現住建造物等放火罪に該当し成立すれば、死刑または無期もしくは5年以上の懲役に処せられます。
絶対に火災保険で儲けることを目的とした犯罪行為行ってはいけません。

火災保険で儲ける悪質な業者がいる?

近年増加傾向にあるのが、皆さんの火災保険を利用してお金儲けをする「火災保険申請サポート会社」です。
火災保険申請サポート会社とは保険請求ができそうな部分を見積もり作成したり、書類の書き方をサポートしてくれる画期的なサービスです
この手口はインターネットを始め、営業訪問、チラシ、新聞など様々な媒介を通して勧誘されます。
火災保険申請サポート会社の勧誘文句はこのような感じです。

火災保険を請求すれば無料で家の修理ができますよ。弊社で任せてもらえば保険会社から出たお金で修理をします!自己負担はありません!

そんな魅力的なサービスありがたい!でもデメリットもあるんじゃないの?

保険会社からでた保険金をちょっとだけもらいます!ちょっとだけね♪

ちょっとまった!そんなうまい話はありません。
ここからは火災保険申請サポート会社について、なぜ当サイトではおすすめできないのか説明していきます。

手数料として30%~50%取られる!

火災保険申請サポート会社に申請すると手数料(他にもコンサルティング料や成功報酬など呼び名は変わる)が30%~50%取られてしまいます。
例えば保険会社から100万円を受け取った場合、30万円~50万円を火災保険申請サポート会社へ支払わなければなりません。

結局残りの50万円~70万円で修理をしなければならないですが、お客様の中には「ラッキー♪それでもお金貰えるじゃん!」と勘違いされる方がいらっしゃいますが、そんな簡単な話ではありません。

実質あなたのお金をだまし取られています!

先ほどのケースで話すと、保険会社から100万の被害認定がされたのに、手数料を払うと残りは50万円~70万円となります。
では、実際修理する際は本当に保険会社が認定された分、修理がされるのでしょうか?

絶対にできないですよね。手数料を払ってしまうと、「半分の工事になる」か「工事が雑になる」のどちらかです。(下記図参考)

成功報酬で支払った30万円~50万円は本当であれば自分のお金になったものです。
100万円は保険会社から支払われたものであるため、自分のお金ではないと錯覚し、成功報酬として50万円を払うことに躊躇いなく支払えるわけです。

しかし、実際はその手数料で支払った50万は自分の家の修理費用として保険会社から払われたお金です。
自分の家の修理費用を受け取るという権利をドブに捨てるのは余りにもったいないと思いませんか?

成功報酬のトリックについては以下記事で詳しくまとめています!

【驚愕】火災保険申請代行の成功報酬の実態は?元損保社員が斬る火災保険申請代行会社の成功報酬の実態について火災保険専任担当の元損保社員でファイナンシャルプランナーの筆者が徹底解説していきます。成功報酬型との謳い文句で火災保険申請を促す会社の「成功報酬」とは実際どのような仕組みになっているのか、暴いていきます。...

チェック対象となり見積書が大幅に削減される!

火災保険申請サポート会社を利用すると、それだけで保険会社からマークされます。
大手損害保険会社の火災保険損益は、10年連続赤字になっているというニュースになっていますが、これは火災保険申請サポート会社の増加によるものとされており、保険会社から厳しいチェックがあります。

そのため、もちろん見積書通り支払われず、見積金額から減額になることは間違いありません。
それだけではなく、お客様自身が「火災保険申請サポート会社を利用する人間」というレッテルがついてしまうため、今後ちゃんとした被害であってもチェック対象になる場合があります。

行政指導・行政処分された業者もいる!

最近ではかなり行政でも厳しく取り締まりが行われ、2020年に埼玉県では11事業者に対し、法令を遵守するよう行政指導、特定商取引法に違反する行為が認められた事業者に対し、行政処分(業務停止命令6か月など)がされました。
国民生活センターの相談案件は年々増加しており、今後も火災保険申請サポート会社に対しての行政処分、行政指導は免れ得ないでしょう。

「火災保険申請サービスで儲かった」は絶対にない!

よく「火災保険を利用すれば無料で修理します」「火災保険の申請を1からサポートします」という業者がいますが、利用者(消費者)が儲かるということは一切ありません。

コンサルティング料という名の手数料を30%~50%取られてしまったり、保険会社からはチェック対象となったりと、散々な結果になります。

当サイトでは火災保険の申請を代行するサービスは全くおすすめしていません。

火災保険申請代行サービスの裏事情については別記事でまとめています。参考にしてください!

火災保険申請サポートは違法?やめたほうがいい4つの理由を元損保社員が徹底解説!火災保険申請サポートは果たして違法なサービスであるのかということについて、ファイナンシャルプランナーの筆者が徹底解説していきます。違法性や申請サポートの成功報酬とは実際どのような仕組みになっているのか、暴いていきます。...

もし火災保険申請サポートを利用してしまった場合は?

電話勧誘や訪問勧誘で保険請求代行・サポート契約をした場合、契約書が交付されてから8日間はクーリング・オフできます。
クーリング・オフは文面でハガキにて行うことができます。
契約(申込)申込日や販売会社、契約金額等を記載し、火災保険の申請代行業者へ送れば完了です。

もしクーリング・オフに対して疑問点があれば、消費者庁のホームページもしくは、お近くの消費生活センターへご相談しましょう。

保険会社から保険金が出なかったというのも最悪あり!

火災保険申請サポート会社の多くは「火災保険からお金が出なければ、一切お金を請求しません」と契約事項に書かれている場合が多くあります。
実際に保険会社から請求しても、一切保険金が出なかったら申請サポート会社からもお金を請求することはないため、「保険会社から保険金が出なかった!」というのも良いでしょう。

しかし中には「保険会社へ請求を取りやめた場合は〇万円請求します」という火災保険申請サポート会社もいます。
まずは火災保険申請サポート会社からの契約書をよく読み、もし断る場合は契約している保険会社もしくは国民生活センター、消費生活センターへ相談するのもいいと思います。

火災保険の請求は自分でできる!

❶ 修理業者を探し、見積書・修繕前写真を作成してもらう

まずは、被害を確認するために修理見積もり修理前写真を業者に依頼しましょう。

火災保険の申請で修理見積もりを作成したいけど、どこにお願いすればいいんだろう?

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❷ 保険会社へ被害の連絡

見積書を作成すると同時に、保険会社もしくは代理店へ被害を申告しましょう。契約者氏名、保険証券番号、損害の内容、原因、見積書、写真の有無などを伝えることとなります。

❸ 保険会社から申請用紙が送られてくる

保険会社から申請書類が送られてきます。簡易的な書類から間取図を書く書類まで保険会社によって申請書類は様々です。

❹ 保険会社へ申請用紙・見積書・修繕前写真を送る

申請書類を記入したら、業者から取り寄せた見積書・写真と一緒に保険会社へ送りましょう!

❺ 保険会社から保険金が振り込まれる

保険会社が見積書を査定後、保険金が振り込まれます。見積書が高額であったり不具合がある場合は、現地鑑定があります。

火災保険を申請する方法は別記事で詳しくまとめています!火災保険申請代行業者は利用せずとも自分で申請できるため、是非自分で申請してください。

火災保険の申請方法を元損保社員が教えます|おすすめ業者紹介火災保険の申請方法について元損保社員がどこよりもわかりやすく簡単に教えます。火災保険の申請方法だけでなく、保険会社の対応やオススメの業者、おすすめの申請方も情報盛り沢山です。対象になる被災も記載しています。...

Question?火災保険で儲けるとは?

いままでTwitterや現場でいただいたよくある質問について回答していきます。

支払われた保険金よりも修繕費用が少なくなった場合どうすればいい?

A:『火災保険の保険金>修繕費用』となった場合、その差額金額は、契約者が受け取って問題はありません。

保険金をどのように使用するかについては、契約者の自由となっています。

火災保険で儲けてしまった場合、保険会社に連絡する必要があるか?

A:修繕費用より多く保険金を貰ってしまっても、保険会社に連絡する必要はありません。

基本的には領収書や修理後の写真も保険会社に送る必要がないため、何もしなくても良いです。

火災保険を申請した後、業者変更は可能か?

A:火災保険を申請した時の業者から保険金を支払われた後に別業者に変更することも可能です。

よく修理業者と揉めてしまうケースはありますが、火災保険は申請した時の修理業者で修理しなければならないということは一切ありません。

火災保険は振込先を自分か業者か選ぶこともできますが、そんなときのためにご自身に振り込むようにしたほうが得策でしょう。
また、その場合他と同様に『火災保険の保険金>修繕費用』となった場合、その差額金額は、契約者が受け取って問題はありません。

まとめ:火災保険で儲けることはできない!けれども…

火災保険で儲けるということは保険法上、絶対にできません

しかし補償内容や特約によってはプラスアルファで見舞金制度(臨時費用保険金)が付帯していれば、多めに保険金をもらうということは可能です。
ただし、注意しなければいけないのが契約している火災保険の補償内容です。
どんな火災保険に契約しているのか再度保険証券を見直し、臨時費用保険金がついているか補償の見直しをすることをおすすめします。

補償の見直しをする場合は無料の火災保険比較サービスを利用されることをおすすめします!

火災保険は年々値上がりしている今見直しを!

火災保険ってよくわからないし、今のままでいいかな~!

ちょっと待った!!
実はここ5,6年で火災保険料は1.5倍〜2倍以上に値上がっているのをご存知ですか?

過去にも保険料の目安となる「参考純率」が2018年に5.5%2019年に4.9%2022年には10.9%2024年に13.0% 全国平均で値上がりしています。
保険会社は火災保険分野が13年連続赤字で、今後も災害の増加や住宅部材の値上げ、円安の影響で保険料は値上がりするという可能性が高く、家計の節約には火災保険は見直しが必須です。

保険料ってそんなに上がっているんだ!
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元損保社員のつぶやき編集部
【経歴】2012年に損害保険会社に中途入社⇨火災保険損害サービス課で8年間勤務⇨損害保険会社を退職後、実家を継ぐ【資格】ファイナンシャルプランナー2級/アフィリエイテッドファイナンシャルプランナー(AFP)
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